お父さんへ

Pocket

お〜い、お父さん、あなたの柳の樹が

こんなに大きくなっていました。

柳の樹

お彼岸が近くなったので、お墓の掃除をしていたら、柳の大木が目に入りました。

前に生えていた背の高い雑草が枯れていて、久しぶりに全容が現れました。

ここは私が子供の頃は、まだ田畠で、耕作をしていました。

あなたは若い頃、独り生えの、親指ほどの太さの若い柳の木を見つけ、あなたらしく、

かわいそうだから、切らずにそのままにしておきましたね。

六十を過ぎた私も、できるうる限り殺生はしないよう心がけていますので、

戦争から生還してきたあなたは、若いとはいえ、尚更であったでしょう。

今は幹の直径も90cmほどなんですよ。枝も直径30cmはあります。

幹と枝

私の孫、あなたのひ孫にも、今年は見せてあげましょう。この話と一緒に。

松崎直敏
Author: 松崎直敏